進行肺がん治療の最前線 新たな治療薬の承認で何が変わるのか

公開日: 更新日:

 今回の新薬レットヴィモは、RET融合遺伝子が陽性の肺がん(RET肺がん)に用いることが承認された。RET肺がんは、女性、60歳未満、非喫煙者に多く認められる。レットヴィモは、RET融合遺伝子を選択的に阻害し、細胞増殖のシグナルを抑え、結果的に肺がん細胞の増殖を抑制する。国際共同第1/2相臨床試験では、未治療のRET肺がんに対して奏効率70.5%、すでに何らかの治療が行われ、2次治療以降にレットヴィモが投与されたケースでは奏効率56.9%だった。

「従来の抗がん剤の奏効率は30~40%くらいなので、レットヴィモでは格段に高い治療効果が得られる可能性が高い。レットヴィモに限らず、分子標的治療薬は治療効果が高く、正常細胞への作用が少ないので一般的に毒性が軽く、QOL(生活の質)も高く保てます」

 従来の抗がん剤は脳関門を突破できず、それゆえ、がんの脳転移には効果を発揮できなかったがレットヴィモを含む分子標的治療薬は脳転移にも効果を発揮することが研究で分かっている。

 もしかしたら、今後は「肺がんはがんの中で死亡率トップ」と言われなくなるかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」