著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

40代でがん転移 小さな子供を2人残し…「幸せだった」が最期の言葉

公開日: 更新日:

 その段階で仕事は辞め、福祉サービスに頼るようになるのですが、病気療養は何かと物入りなことばかりで、しかも小さなお子さんを抱えての生活ではなおさらです。40代なので介護保険は使えるのですが、子どものための食事の用意などは、本人の介護保険で賄えません。それでも母子3人で少しでも長く過ごしたいという患者さんの希望から、私たちの在宅医療がスタートしたのでした。

 まず私たちが取り組んだのは、強い痛みが少しでも和らぐように調整することでした。また、訪問看護さんやケアマネジャーさんたちのチームにお願いして、子どもたちの食事の用意や遊び相手になってもらうようにもしました。上のお兄ちゃんは8歳になったばかりで甘えたい盛りですが、具合の悪いお母さんを前に途方に暮れるばかり。そしてお母さんはそんな我が子を力なく抱きしめるしかできませんでした。

 やがて病状が悪化したためご実家近くにアパートを借り、患者さんのお母さんと同居を始め、在宅医療を開始して半年後となるある日、家族とスタッフに見守られる中、旅立っていきました。

 最期に患者さんが残された「幸せだった。ありがとう」の言葉はいまも私たちの心に強く残っています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍J大谷翔平が完全非公開&厳戒態勢の神宮球場でライブBP! 背景にドジャース側からの情報統制か

  2. 2

    高市首相が石川県知事選の敗北にブチ切れ! NHK調査でも内閣支持率が下落…人気低下の兆しに隠せぬ「焦り」

  3. 3

    5199万円で競売にかけられる神戸山口組、井上組長の自宅

  4. 4

    「リブート」で“覚醒”した永瀬廉が主演映画にかける切実事情 キンプリは“分裂3年”で「Number_i」と大きな差

  5. 5

    前園真聖が番組収録中の大ケガで手術…地方路線廃止と出演者高齢化で迎える「バス旅」の転換期

  1. 6

    3.11から15年 高市首相の大暴言「原発事故での死亡者はいない」を風化させるな!追悼式も「行けたら行くわ」福島軽視の冷酷

  2. 7

    「キンプリ」ついに解散状態へ! 永瀬廉の「個人FC」設立と「キントレ」終了の因果関係

  3. 8

    そもそもWBCってどんな大会?日本がMLBの“金ヅル”から脱却できない意外な事情

  4. 9

    国会で、SNSで…「高市早苗の嘘八百」はこんなにある!女性初首相は“真っ黒け”なのに手ぬるい野党の追及

  5. 10

    侍J野手に「8秒」の重圧 1次R3試合無安打の近藤健介を直撃すると…