著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

40代でがん転移 小さな子供を2人残し…「幸せだった」が最期の言葉

公開日: 更新日:

 私たちが訪問診療をしている患者さんは、高齢の方ばかりとは限りません。比較的若い現役世代の患者さんもいます。患者さんの事情も、先天性疾患で生まれつきの方から、10~30代の若年の時期に発症された方などさまざまです。

 そしてそんな現役世代の患者さんには、小さなお子さんを抱えている方も少なくありません。2015年から地域のがん拠点病院にかかっていた患者さんも、まさにそのひとりでした。

 彼女は、お2人の小さなお子さんを育てるシングルマザー。40歳の時、その拠点病院で、子宮頚部異形成(がんではないが、経過観察が必要な状態)を指摘され、3カ月おきに通院して、様子を見ていました。

 ところがその数年後、不正出血が認められ、MRI(強い磁石と電磁波を使い、体内の状態を断面像として描写する検査)で撮影したところ、すでに転移があるステージ4の子宮頚がんと診断されました。しかし手術をするつもりで、手術前の化学療法と放射線療法を施すと、なんと腫瘍が消失したのでした。

 安堵したのもつかの間、翌年には右脚の付け根に激痛を感じ、病院で検査。結果、右骨盤リンパ節から右尿管、そして周りの組織を巻き込んでの大きな再発病変が認められました。それからは徐々に患者さんの容体が悪化し、余命3~6カ月との宣告を受けるまでとなりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾