著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

機能性ヨーグルトが花盛りだが…血液型を選ぶ乳酸菌がある

公開日: 更新日:

 腸内細菌と聞いて、すぐに思い付くのが乳酸菌やビフィズス菌です。善玉菌の代表格として、いまや「花粉症に効く」「大腸がんを予防する」「血糖値の上昇を抑える」「コレステロールや中性脂肪を下げる」など、目的に応じた機能性ヨーグルトまで売られるようになっています。

 食べ物やサプリメントから取る乳酸菌やビフィズス菌は、まず胃で強力な胃酸(その実体は塩酸)にさらされるため、大半が死滅してしまいます。そのため最近では、胃酸に強い菌や、腸に達してから分解される製剤が商品化されています。しかし生きて腸に達しても、その大半は効率よく定着することができず、2週間ほどで便と一緒に排出されてしまうといわれています。

 腸の常在菌の多くは、アドヘシン(接着タンパク質)などを備えており、それで腸粘膜上の組織血液型抗原やその他の糖鎖と結合することができます。乳酸菌やビフィズス菌も、腸粘膜に接着するためのアドヘシンやその他のタンパク質を持っています。しかし接着力が弱いため、発酵食品などで毎日補給しなければ、すぐに不足してしまうわけです。

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