著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【桃】疲労回復に即効性あり ミネラルを取るなら夜に生で

公開日: 更新日:

 日本では、古くから「桃湯」が親しまれており、江戸時代から夏の土用には桃の葉を浮かべた湯に入ることで、あせもや湿疹の予防をする習慣があったそうです。

 私たちが食べる果実の主成分は水分、その中に含まれているのが果糖です。体内で代謝の過程を経ずにエネルギーとなるので、疲労回復には即効性のある栄養素。また、塩分の排出を助けるカリウムや、エネルギーを作り出すことにも関わっているナイアシン、老化予防に関わるビタミンE、食物繊維なども含まれています。

 桃100グラム当たりの糖質量は8.9グラム、エネルギーは40キロカロリー。他の果物と同量比較すると、皮をむいたリンゴの糖質量が14.1グラム、エネルギーが57キロカロリー、ブドウの糖質量が15.2グラム、エネルギーが59キロカロリーなので、果物の中では糖質もエネルギーも比較的少ない部類に入ります。

 しかし、缶詰の桃は甘いシロップで桃を漬けているため、缶詰の糖質は19.2グラムと、生と比べて2倍以上多くなります。また、カリウム、ナイアシンは水に溶けやすいため、シロップに流れ出て摂取量が少なくなってしまいます。糖質を多く取って体内時計をリセットするなら朝に缶詰の桃、ミネラルを十分に取りたい場合は夜に生の桃がよいでしょう。

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