認知症患者の「収集癖」に対する具体的な対処法は?

公開日: 更新日:

 認知症になると、チラシやトイレットペーパーなど、特定の物を集める「収集癖」の症状が現れるケースがあります。周囲からすると一見不要な物を集めたり隠したりするので、同居する家族は捨てたくなるでしょう。しかし、認知症の方は何かしら価値がある物と認識し収集しているので、家族が捨てようとすると激しく怒ります。

 認知症に「こだわりの法則」と呼ばれる特徴があります。ひとつの事柄に集中するとそこから抜け出せず、周囲が説明や説得を試みたり否定したりするほどこだわりが強くなるのが特徴です。この症状は約半年から1年で落ち着きますが、たまっていくうちに家が不衛生になるのでは、と心配する人も少なくないでしょう。

 収集癖の症状を抑えようと家族が真摯に説得しても、こだわりが消えるまでは解決が難しいです。ただ、「一手だけ先手を打つ」と、症状からくる介護負担は軽くさせられます。

 実際に家族から受けた相談の例を挙げると、役所にあるパンフレットをリュックに山ほど詰めて持ち帰ってきて、見つけた妻が捨てようとすると大騒ぎ。お金をかけてパンフレットを出している人に申し訳なく感じ、困っているといった内容でした。そこで提案したのが、外出前に事前に紙をリュックに何枚か入れておくという案です。以降、取る量は減り、時間の経過とともにこだわりの症状も収まって収集しなくなりました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です