歯周病と虫歯には「カビ」ケアが大切…目指すは残歯20本

公開日: 更新日:

 歯や歯茎の健康が損なわれると、しっかり噛めないため、硬いものが食べられないなど食事が制限され、栄養不足になったり、嚥下機能にも影響する。さらには、皆と同じものが食べられないことで社会的交流や自己肯定感が低くなるなどの悪影響が出やすい。

「そのため、1989年から政府と日本歯科医師会が8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動を提唱し、80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを奨励しているのです」

 本数の20本には根拠がある。国民健康・栄養調査をはじめ、歯の本数と食べ物を噛む能力(咀嚼力)には関連があり20本以上あれば硬い食品でもほぼ満足して噛めることが報告されてきたからだ。

■歯垢を悪化させない

 問題は、口の健康の大切さが科学的に明らかにされ、その重要性を多くの高齢者が認識して歯磨きを続けていながらも、日本人の2人に1人は歯周病であり、大人の虫歯も多い現実は変わっていないことだ。

「お口の汚れで最も問題なのは歯垢(プラーク)です。その情報が正確に伝わっていません。唾液の質と量が低下すると、歯の表面では虫歯菌であるミュータンス菌などが食べかすを分解してグルカンと呼ばれるネバネバした物質をつくります。その塊が歯垢です。歯垢内で増殖した細菌は糖分を分解し、酸を分泌します。その酸が歯の表面を溶かすことで虫歯をつくるのです。虫歯は放っておくと歯の歯髄が感染し、根に膿がたまり、最後には歯が抜けたりします」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」