副鼻腔炎の治療は進歩している(2)新たな治療機器の登場で痛みが少ない手術が可能に

公開日: 更新日:

 慢性副鼻腔炎は、しつこい鼻水や鼻詰まりの症状に悩まされる病気だ。進行すると嗅覚障害、喉に流れ落ちた鼻水によって喘息や気管支炎を起こすリスクがある。どういった治療があるのか? 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室教授の鴻信義氏に聞いた。

「慢性副鼻腔炎の治療は保存的治療と外科的治療があり、ペニシリン系の抗生物質を1~2週間処方したり、同系よりも作用がおだやかなマクロライド系の抗生物質を3~6カ月服用すると、7~9割の方は症状が改善されます。ただ、長年放置された重症の慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎は、薬での治療が難しい。日常生活に支障を来している場合には手術が検討されます」

 かつての副鼻腔炎の手術といえば、局所麻酔で上の歯茎を切り、ノミで上顎骨を削って患部を露出させ、たまった膿や粘膜を取り除く手法が一般的だった。削る音に加えて、医師は額帯鏡を頼りに手探りで行っていたため周囲の神経に触れやすく、副鼻腔炎の手術は「怖くて痛い」といった負のイメージが広まっていたという。

 しかし、近年は高画質な内視鏡や支援機器の登場で、安全性が高い鼻からの内視鏡手術が行えるようになっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」