(15)時計遺伝子と老化との深い関係…ノックアウトマウスで明らかに

公開日: 更新日:

「時計遺伝子と老化の関係は、すでに多くの研究から明らかにされており、乱れた生体リズムが老化や疾患リスクに悪影響を及ぼすことは以前から指摘されていました。1971年、ショウジョウバエの変異体研究において米国の研究者が1日が18時間や30時間のハエ、体内時計を持たない変異体を発見したことが、この研究分野の始まりです」

 1984年にはショウジョウバエで最初の体内時計遺伝子が発見され、1997年にはヒトを含む哺乳類にも体内時計遺伝子が存在することが確認された。

 さらに2006年には、Bmal1遺伝子を欠損したマウスが早期老化を示すことが論文で報告されている。研究によれば、ほとんどのノックアウトマウスは生後26~52週で死亡したのに対し、通常のマウスは平均で2年以上生存したという。また、52週時点での体の大きさもノックアウトマウスは通常の半分程度だったとされている。

「私のハーバードの研究室でもBmal1遺伝子ノックアウトマウスにおける老化制御について最新研究成果が得られ、本年10月に開催された米国腎臓病学会総会で報告しました。皮下脂肪組織の減少は、ヒトを含む哺乳類において老化の主要な指標ですが、40週齢のノックアウトマウスでは顕著な脂肪組織の減少が確認されています。発毛に関しても、30週齢のマウスの背中の毛を剃って再生状況を観察したところ、ノックアウトマウスでは4匹中1匹だけが3カ月後に部分再生したのに対し、通常のマウスは4匹すべてが1カ月で再生したと報告されています」(根来医師)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状