(9)自分で車を運転して元気いっぱいに出かけていた母が…

公開日: 更新日:

 レビー小体型認知症であるとわかって数日後、母がA病院に救急搬送されたとの電話がかかってきた。熱中症で倒れたのだという。

 翌日、東京から熊本に駆けつけるも、コロナ禍の真っ最中で、母に会うことはできなかった。東京の人は病院に立ち入ることすらできないと拒まれ、裏口で入院手続きを済ませた。救急搬送や入院を恥と捉えている父は激怒しており、私は泊まることなく、振り切るように東京に帰ってくるしかなかった。

 10日あまり経った頃、A救急病院から連絡があった。

「もううちの病院でできる治療はなくなった。お盆の前に退院してほしい。具体的には明日」

「えええっ! 明日ですか!」と電話口で私はすっとんきょうな声を出してしまった。急に明日退院してくれと言われるのは当たり前なのだろうか。ましてや母は認知症でセルフネグレクト状態だったと診断された身だ。

 もらった入院診療計画書には「在宅復帰支援担当者」の名前が明記してある。在宅復帰支援はないの?

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い