空腹こそ最大の長寿法…「カロリー・リストリクション」はどうやるのか?

公開日: 更新日:

 そもそもなぜ空腹が長寿につながるのか?

「2000年に米マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士が発表したのが、空腹の時間を長く保つとサーチュイン遺伝子が活性化し長生きするとの研究です。別名、長生き遺伝子と呼ばれるこの遺伝子は、タンパク質の製造工場であるリボソームに関連する遺伝子の数を一定に保つ作用があり、それがゲノムの安定性につながり長寿に関係することが明らかにされています。サーチュインの活性化は細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアの数を増やし、オートファジーにより細胞内の不要なタンパク質を除去することがわかっています」

 そのサーチュインを活性化するには、「NAD+」と呼ばれる補酵素の活性化が必要で、それには空腹状態が条件になるという。

■1日3食取りながら空腹を感じる

「昔からカロリー制限は多くの生物で寿命を延ばし、加齢疾患の発症を遅らせる、と言われながら、ヒトやサルなどの霊長類が当てはまるのか、長い間議論が続いていました。それを検証するため、米国の大学と国立老化研究所がそれぞれアカゲザルを用いたカロリー制限研究を行いました。当初は正反対の結論が出たものの、食餌の内容や対象となるサルの出身地等を合わせることで、『アカゲザルでもカロリー制限により老化を遅らせ、健康寿命を延ばせる』と結論が一致したのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」