(2)寿命の差は男性ホルモンの血管保護作用が弱いから

公開日: 更新日:

 ところが男性側は、男性ホルモンの血管保護作用が残念ながら女性ホルモンほど元々強力ではない。熟年期に入り男性ホルモン(テストステロン)が徐々に減り始めるや、早速その保護作用が薄れてきて、血管硬化機序が進み、血管障害性死亡が増えてくる。

 この男・女性ホルモンの作用機序の差が、50~80歳代での生存曲線の大きな開きが生まれる背景だ。

 今までの医学では、男性寿命が短い原因として、メタボであるとか、お酒やたばこをのむとか、生活上の乱れががんをつくりやすいと注目されていたが、実は血管系疾患問題が寿命格差を生んでいたと考えられる。

 健康そうにみえていた働き盛りの50~70歳代の男性が、心筋梗塞脳梗塞で突然死するエピソードはこのような男性ホルモン低下による血管老化の加速という流れで起きている。

 男性ホルモンの低下は、「がん」のように積極的に検査も行われないので、ひそかに忍び寄っている血管系の病理が、そのうち深刻な問題を起こして命を縮めることになるリスクがあると言える。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択