著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

赤外線応用商品も多いが…スマートウオッチで「血糖値」は本当に測れるのか

公開日: 更新日:

 じつは血液中のブドウ糖(血糖)は、特定の周波数の赤外線をよく吸収する性質を持っていることが知られています。その性質を利用した血糖値測定装置の開発も、1990年代から始まっていました。とくに中赤外線(波長2100~2300ナノメートル)を特異的に吸収するため、血糖値を測るのに適していることも分かっています。

 しかしセンサーの小型化が難しく、ウオッチへの搭載はまず無理です。卓上サイズなら作れるので、いずれ家庭用の装置が開発され、安く買えるようになるかもしれません。

 ウオッチへの搭載に適しているのは、近赤外線(波長1400~1700ナノメートル)です。水分や皮膚の状態の影響を受けやすいため、中赤外線ほど精度はよくないのですが、センサーを小型化できるメリットがあります。ネットで売られている、ちょっと怪しげなウオッチなども、近赤外線を使っているはずです。ただし、日本の薬機法やアメリカのFDA(食品医薬品局)の認証を得たものは、ひとつもありません。

 しかし血糖値が測れるウオッチの潜在市場は巨大です。そのためアップルやグーグルをはじめとする大手各社は、開発を続けています。数年以内に実用的な製品が出てくるかもしれないので、それまで待つほうがいいでしょう。

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