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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

大切な人の旅立ち…あなたならどんな言葉をかけますか?

公開日: 更新日:

「ランタス(インスリンの一種)を使っても?」(娘さん)

血糖値のベースは下がるかもしれませんが、点滴が良い効果をもたらすかは分かりません」(私)

「メリットは?」(娘さん)

「今の状態では、あまり見いだせません。少量なら問題ないかもしれませんが、それは患者さんのためというより、ご家族のお気持ちを満たすだけになってしまう可能性があります。点滴は心不全を悪化させることもありますし、最大のリスクは血糖値の上昇です。この段階では、体が水分や糖を受け付けなくなっており、点滴をしない選択をする方も多いです。入れた水分がすべて漏れてしまうこともあります」(私)

「それがむくみになる?」(娘さん)

「そうです。体が受け付けない水分がむくみになります。栄養を補うために無理に点滴するのは、やはり違うと思います」(私)

 そして2日後の夜、「呼吸が止まりそうです」と家族から連絡があり、私は急いでご自宅へ向かいました。そこには、娘さん、息子さん、お孫さんがそろい、患者さんを見守っていました。

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