著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

大切な人の旅立ち…あなたならどんな言葉をかけますか?

公開日: 更新日:

「ランタス(インスリンの一種)を使っても?」(娘さん)

血糖値のベースは下がるかもしれませんが、点滴が良い効果をもたらすかは分かりません」(私)

「メリットは?」(娘さん)

「今の状態では、あまり見いだせません。少量なら問題ないかもしれませんが、それは患者さんのためというより、ご家族のお気持ちを満たすだけになってしまう可能性があります。点滴は心不全を悪化させることもありますし、最大のリスクは血糖値の上昇です。この段階では、体が水分や糖を受け付けなくなっており、点滴をしない選択をする方も多いです。入れた水分がすべて漏れてしまうこともあります」(私)

「それがむくみになる?」(娘さん)

「そうです。体が受け付けない水分がむくみになります。栄養を補うために無理に点滴するのは、やはり違うと思います」(私)

 そして2日後の夜、「呼吸が止まりそうです」と家族から連絡があり、私は急いでご自宅へ向かいました。そこには、娘さん、息子さん、お孫さんがそろい、患者さんを見守っていました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  2. 2

    風間俊介がジャニーズJr.のセンターの座を捨てて都立高校受験に専念した意外な理由

  3. 3

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  4. 4

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  5. 5

    侍J井端監督に大ピンチ!ヤクルト村上、阪神才木ら米挑戦組「WBC全員辞退」の可能性

  1. 6

    松重豊は福岡の人気私立「西南学院」から明大文学部に 学費の問題で日大芸術学部は断念

  2. 7

    そうだ、風邪をひけばいいんだ!減量に行き詰まった末、裸同然で極寒の庭へ飛び出した

  3. 8

    カムバック星野監督の“2カ月20kg”の無茶ぶりに「嫌です」なんて言えるはずもなく…

  4. 9

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  5. 10

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校