著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

起きたら冷たくなっていて…母の死を確認したのは高校生の娘だった

公開日: 更新日:

 その患者さんは、旦那さん、大学生と高校生の2人の娘さんとの4人暮らしでした。50代という若さでしたが、卵巣がんの末期。予後が限られているということもあり、今後どのように過ごしていくかという話は避けて通れません。

 在宅医療を始めるにあたり、患者さんやご家族の意向を伺うべく、病状についての詳しい説明から始めました。すると、患者さんもご家族も言葉を失ってしまったのです。しばらくして患者さんの口から漏れた言葉は、「私、そんな悪い状況なんですか……。来月、娘の高校の保護者会があるんです。出席すると返事しているのに」というものでした。

 入院していた病院で「卵巣がんの末期」という診断は受けていたものの、インフォームドコンセントがしっかりなされていなかった。インフォームドコンセントは、医師や看護師から行われる医療行為に対する十分な説明のこと。患者さんやご家族はその内容について十分納得した上で治療を開始するのですが、この患者さんの場合、「最期」まではまだ少し余裕があると思われていたのでした。

「保護者会への出席を目標に療養生活を頑張りましょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  3. 3

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 4

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  5. 5

    ドジャース大谷が佐々木朗希への「痛烈な皮肉」を体現…耳の痛い“フォア・ザ・チーム”の発言も

  1. 6

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  2. 7

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  3. 8

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった

  4. 9

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い

  5. 10

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督