著者のコラム一覧
一般社団法人 日本健康経営専門医機構

医師を中心に医療従事者が健康経営を体系的に学び、企業に専門的支援を行う一般社団法人。健康経営を経営戦略として根付かせ、企業価値の向上と持続的成長を支援し、社会全体の健康づくりに寄与することを目的として活動している。代表理事は東貴大医師。この連載は、賛同医師による各分野の医療の悩みをリレー形式で紹介。 <https://jhba.org/> 社団法人日本健康経営専門医機構

突然の胸痛、「ただの筋肉痛?」56歳男性を襲った心臓発作の見逃せないサイン

公開日: 更新日:

 しかし仕事中も肩の違和感は続き、だんだん息切れを起こし動けなくなってしまいました。同僚が救急車を呼び病院ですぐに心電図検査を行ったところ、心筋梗塞の診断ですぐに緊急処置が行われることになりました。

 このケースからわかるように、実は心筋梗塞で出る症状は胸の痛みだけではありません。「放散痛(ほうさんつう)」と呼ばれる症状で、左肩、背中、あるいは歯や耳まで痛みが放散することがあります。このような症状が左胸の痛みとともに起きた場合は、すぐに救急車を呼びましょう。心臓発作が疑われる症状が起きた場合は、残念ながら自分で対処できることはありません。心臓発作の治療は時間との勝負です。心臓の血管が詰まっている状態なので放っておくと心臓が壊死(えし)してしまい、できる治療もできなくなってしまう場合があります。

■発症から6時間以内の「ゴールデンタイム」に病院へ

 特に「ゴールデンタイム」と呼ばれる、発症から6時間以内に心臓の血流を再開させることが、ダメージを最小限に抑えるために重要なので、明らかにこれまで感じたことのない痛みであればすぐに救急車を呼んで欲しいですし、少なくとも30分以上胸の痛みが引かなければ受診しましょう。痛みの症状は締め付けられるような、奥から詰まるような激しい痛みのことが多いですが、他にも、押したり体を捻ったりして「痛みが強くならない」場合は、筋肉や骨ではなく心臓の痛みの可能性がやや高まります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘