病院嫌いの60代が自宅で植木鉢を割って…「小さな切り傷が命取りに」正しい傷の処置とは?
病院嫌いの60代のBさんは、30代の頃に会社の健康診断で「血糖値の異常」を指摘されましたが、「特に自覚症状もないから」と受診を先延ばしにしていました。40代に入ってからは毎年引っかかるようになり、保健師から何度となく受診を促され、40代後半でついにクリニックを受診すると、2型糖尿病と診断・治療が開始されました。しかし、薬の飲み忘れも多く、定年退職後は通院もやめてしまいました。また、1日1箱のたばこもやめるつもりはありませんでした。
そんなBさんはある日、自宅で植木鉢を落として割ってしまいました。裸足だったため右足の親指に小さな切り傷が出来ましたが、「血が出ているから絆創膏でも貼っておこう」と傷をよく確認せずに絆創膏を貼り付け、そのまま傷のことは忘れてしまっていました。
しばらくたった日の朝、Bさんは足の痛みで目を覚ましました。古い絆創膏を剥がすと皮膚が焦げたかのように黒ずんでおり、指全体が赤紫色に変色していたのです。針で刺されているかのようにズキズキと痛みも強いので、さすがにクリニックを受診することに。すると主治医からすぐに大学病院を紹介され、そこで「糖尿病性足壊疽(えそ)」と告げられました。足の肉が死んでしまい、そこに細菌が感染して骨にまで広がっていること、さらに足の血の流れも悪く、死んだ部分(黒くなったところ)だけを切っても治らないと言われました。しかも、感染は隣の人差し指にも広がっているため、2本の指を付け根から切断しないといけないという説明を受けてしまったのです。