「障害者手帳」嫌がる親を説得してでも申請すべき理由
高齢者の矜持は時として周囲の人々を困らせることがある。要介護・要支援認定の申請を拒否する姿勢などは、その典型かもしれない。筆者の介護経験でも最初に立ちはだかった困りごとがこれだった。何度も制度の説明をし、「介護保険料を天引きされているのだから使わないと損をする」「認定を受けてくれないと何をするにも10割負担になってしまう」と情(お金)に訴え納得してもらった。
障害者手帳の申請も同様、いや、それ以上に拒否されることが多い。介護という言葉が付くだけでも嫌だったのに、障害まで付けられるのは我慢できない。そう言われると無理に勧めることもないかと思ってしまうが、ぜひ粘り強く話をして申請すべき理由がある。介護保険サービス以上のメリットが多々あるからだ。
たとえば公共交通機関。鉄道なら距離に関わらず介護者と一緒に乗れば乗車券が半額、自身が乗車する車の高速料金も半額になる。地元のバスなどは無料もしくは大幅割引。公共施設の利用では入場料や駐車場代などが半額~無料になることが多い。
税金面での特例も大きく、障害者控除により所得税や住民税が安くなったり、自身が名義人の自動車や同一生計の名義人の自動車税も減免の対象となる。NHKの受信料もしかり。また、75歳未満でも後期高齢者医療制度が適用され、医療費負担が1割になることも。ただし、これらは地域や障害の等級によりメリットが変わるため、住まいのある地域でどのような内容になるのか、申請前にしっかり確認しておくことをお勧めする。


















