円形脱毛症は「腸」に原因がある? 世界11万人の患者を分析
脱毛症にはいくつかの種類があり、頭皮の一部分の毛が急にゴッソリと抜けるタイプの脱毛症を「円形脱毛症」と呼んでいます。
加齢による男性の脱毛症は、男性ホルモンが影響している場合が多いのですが、円形脱毛症はそれとは異なり、性ホルモンとはあまり関連がありません。
それでは、円形脱毛症の原因は何でしょうか? 自分の体の免疫が自分自身を攻撃してしまう「自己免疫」が、その原因であると考えられています。そこで最近注目されているのが、他の自己免疫の病気との関連性です。
今年の皮膚科学の専門誌に、円形脱毛症と腸の病気との関連性を検証した論文が掲載されました。世界で11万人以上の円形脱毛症の患者を解析したところ、円形脱毛症の、特に若い患者さんでは、下痢や腹痛の症状を伴うことが多く組織の詳しい検査をしないと診断の付かない「顕微鏡的腸炎」というタイプの腸の炎症性の病気が、多く合併していることが明らかになったのです。円形脱毛症があると、顕微鏡的腸炎のリスクが1.88倍も有意に増加していました。
また、クローン病などの他の腸の病気も、円形脱毛症で増加していることも確認されました。脱毛と下痢があり、原因が不明の場合には、ストレスの影響だと片づけられてしまうことが多いのですが、じつは同じ自己免疫の病気が隠れている可能性もあるのです。



















