重症では手だてがなかった「円形脱毛症」にリウマチ治療薬が効果大

公開日: 更新日:

 昨年6月、主に関節リウマチの治療に使われるJAK阻害薬「オルミエント」(一般名バリシチニブ)の適応として、重症の「円形脱毛症」が追加された。これまで、重症の円形脱毛症に対しては有効な治療薬がなかっただけに期待されている。円形脱毛症は100人に2人の頻度でみられ、誰でも突然発症する可能性がある。しっかり知識を身に付けておきたい。西新宿サテライトクリニック院長の坪井良治氏に詳しく聞いた。

「円形脱毛症は、円形や楕円形の脱毛斑が生じる疾患で、これまでストレスが原因と考えられていました。しかし、実際は自己免疫機序によって発症します。頭皮の内側には『毛包』と呼ばれる毛根を中心にした皮膚組織があり、通常は、体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除するリンパ球からの攻撃を受けないように守られています。しかし、免疫機能の異常など何らかのトラブルが起こると、一部のリンパ球が毛包を異物と勘違いして攻撃してしまい、脱毛が起こるのです」

 遺伝的要素も円形脱毛症の原因のひとつだ。家庭内発生が10%あることから、発症しやすい体質が遺伝すると考えられている。また、円形脱毛症患者のうち、40%の人がアトピー性皮膚炎を合併し、リウマチや膠原病などの甲状腺の病気と合併する率は15%という報告がある。ほかにもケガや手術、発熱などでリンパ球が変動すると発症するケースもある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ