「洞不全症候群」はペースメーカー治療で劇的な回復が期待できる
■デバイスは続々と進化している
こうした事態を防ぐために、洞不全症候群ではペースメーカーを埋め込む治療が行われます。とりわけ徐脈が目立つケースでは劇的に回復します。そのため、洞不全症候群のような徐脈性の不整脈が見つかったときは、早い段階でペースメーカーを埋め込む治療を行う医師が多い印象です。
近年はペースメーカーが著しく進化しているため、さらに有効になっています。電池寿命の長期化、小型化、MRIへの対応、遠隔モニタリングシステム……といった具合に開発が続々と進み、患者さんの状態によってさまざまなタイプが使い分けできるようになっています。
従来のタイプのようなリード線がないリードレスペースメーカーも登場しました。それまでのペースメーカーは、電子回路とリチウム電池が収まった「本体」、電気信号を伝える「リード線」によって構成されていましたが、リードレスペースメーカーは本体とリード線が一体化されたカプセル型のペースメーカーで、1.75グラム、1㏄まで小型軽量化され、カテーテル手術によって留置するタイプもあります。電池寿命も10~14年と十分に確保されています。ペースメーカーのトラブルはリード線に関係したものが多く、再治療のうち15%程度がリードのトラブルによるものといわれているので、リードレスは大きなメリットです。


















