いまや国民病となる「花粉症」花粉症から不調が続く「花粉症ゾンビ」の襲来に打ち勝つ!
近年、インフルの早期流行や東北や北陸地方の大雪など四季の二季化で健康や暮らしへの影響が懸念されている。
これから本格的なシーズンを迎えようとしている花粉症も決して例外ではないという。そこで、専門家にその真偽を聞いてみることにした。
今年は例年以上に花粉被害が大きくなる可能性
振り返ってみると昨年の夏は全国的に高温多湿が続き、雄花が形成されやすい気象条件となった。
夏の時期が長くなり猛暑が続いたことによって花粉の飛散量が増え、今年は飛散時間も長くなるのではないかと予想されている。その点を耳鼻科医の長友孝文・池袋ながとも耳鼻咽喉科院長は、
「今年は花粉の飛散量がひじょうに多いこともあって例年よりも花粉症の開始が早まり、シーズンが長期化するのではないかと考えられています。たしかに当院でも1月中旬から早くも花粉症の患者さんがこれまでよりも高い割合で来院しています。花粉症をきっかけに風邪や体調不良などを起こしやすくなりますので、今年は例年以上に体調管理が大切になってくると思います」と現状を説明する。
20年間で約2倍、高齢者も安心できない
国内のある調査によると花粉症の有病率は年々増え続け、1998年からの20年間で約2倍に増えている。特に10~19歳では約半数がスギ花粉症を発症、5~9歳の年代で急増しており50歳までに45%以上の有病率となっている。こうした数字を見ても発症の若年化の傾向が読みとれる。
その一方で中には「高齢になると花粉症にならない」という人もいる。しかし、それは全くの都市伝説。70歳を過ぎてから花粉症になったという人も珍しくない。花粉症は国民の3人に1人が罹患する、まさに日本の国民病なのだ。
免疫バランスの乱れが「花粉症ゾンビ」を招く
花粉症は鼻やのどの粘膜の免疫が過剰に働き、その結果、炎症を起こすことで発症する。
そして、炎症が起こると粘膜の腫れを引き起こしウイルスなどが侵入した時、免疫細胞や抗体が届きにくくなって対応が遅れるため、花粉症シーズンには風邪を引くリスクが⾼くなる。
「花粉症シーズンの長期化は免疫システムの疲弊を招き、結果として風邪や体調不良が倒しても倒しても蘇るゾンビのように襲ってきます。厄介な『花粉症ゾンビ』に負けないためには、体調管理が何よりも大切になってきます。特に最近、新型コロナやインフルエンザなどの感染症にかかった人は直った後ものどの腫れや痛みを引きずることが多いので注意が必要ですね」(長友院長・以下同)
基本は「花粉をカラダに入れない」
では、花粉症にかからないようにするにはどうしたらいいのだろうか?
花粉症ケアの基本中の基本は「花粉をカラダに入れないこと」。
「外出から帰宅したら『手洗い・うがい・鼻うがい』を行い、すぐに花粉を洗い流しましょう。髪の毛にも花粉がついていますので、できればそのままお風呂に入って念入りにシャンプーするのがベストですね。寒さが厳しい今の時期はモコモコのコートやマフラーを利用することも多いですが、これらには花粉がつきやすいので注意しましょう」
「手洗い・うがい・鼻うがい」の習慣化はもちろん大事な花粉症対策だが、花粉の侵入を全て防ぐことはできない。そのため、カラダの内側から免疫バランスを整えて、「花粉症ゾンビ」に打ち勝つためには、毎日の食事にもしっかり気を使うべきだと長友院長はアドバイスする。
ヨーグルトなどの発酵⾷品が花粉症対策に役立つ
毎日の食事で摂りたい食品として長友院長が勧めるのは「発酵食品」「食物繊維」「ビタミンD」を含む食品だ。
「実は人間の腸には免疫細胞の7割が集まっており、免疫とは強いつながりがあるとされています。そのため腸内環境を正常にし、免疫のバランスをつねに整えておくことが『花粉症ゾンビ』に負けないカラダをつくってくれるのです」
具体的には、ヨーグルトなどの「発酵食品」には腸内で善玉菌として働く乳酸菌などが多く含まれ、野菜、果物、きのこ、海藻などの「食物繊維」は善玉菌のエサとなる。さらには鮭、サンマ、干しシイタケなどに含まれる「ビタミンD」には善玉菌や食物繊維を効果的に働かせる力があるのだという。
また、2024年版「鼻アレルギー診療ガイドライン」では、新たに「アレルギー症状を改善するプロバイオティクスが存在する」とし、プロバイオティクスの株の組み合わせでアレルギー症状改善の可能性を示唆している。プロバイオティクスが多く含まれる食品の代表は、ヨーグルト。ヨーグルトなどに含まれる善玉菌は、カラダの中で働く期間が限られているため、毎日摂り続けることや、体調管理に有効な菌を選ぶことが大切。ヨーグルト選びもしっかりと行いたい。
花粉症によって生ずる体調不良は苦しい。そんなつらさを味わわないためにも今からしっかりとした対策を講じておきたいものだ。


















