あまたの青年が夢を語らい、そして去っていった

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 地下から3階まで、各フロアには夕方5時の開店直後から、青年や元青年たちが次々とやってくる。神社、仏閣の廃材を使ったという柱、梁(はり)が渋く、底を切った酒瓶でつくられたシャンデリアといい、灰皿を埋め込んだ開き窓といい、手作りの雰囲気があって、落ち着くのだ。スタッフの若者によると、これらは資金繰りや酒の調達が難しかった創業当時の創意工夫の名残。
「お代を頂戴してから酒を買いに行ったりしていたそうです」

 ドンカクをグビリとやりながら、まどろんでいると、思いのほか酔いの回りが早い。梅割りなど、戦後はやった酎ハイの走りではなかったか。

「その通りです。ただ、アルコール度数は14度ほどありまして、普段ウイスキーを飲み慣れている方でも酔っぱらってしまうようですよ」

 そうスタッフ君は言うが、回りが早いのは、加齢によるところが大きいのだろう。スペインの生ハムとチーズのお通し300円(チャージ込み)を食べ、自家製ロシア漬け(ピクルス)650円をつまみ、ピロシキ700円をパクついたら、もう腹が膨れてきた。深夜ミックスピザにかぶりついていた頃とは、もう、違うのだ。酒場の飲み代程度なら、ようやく稼げるようになったというのにね。金子光晴氏の詩はこう締めくくられる。

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