昭和のアーケード街、1000円札1枚で笑顔になる

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<丸健水産 赤羽>

 秋深き東京の夕日を追いかけ、郊外へと走る電車に揺られながら、行く末をまた、考えた。仕事、生活費、そして擦り切れそうな夢……。何ひとつ確かなものはなく、来年すら、やっていけるかわからない。つり革につかまって、暮れなずむ景色を見つめるご同輩のサラリーマンも、どこか厳しい目つきをしている。

 ホームには、冷たい風が吹いていた。赤羽は、駅東口を出る。商店街や路地に渋い酒場がひしめく飲んべえの聖地だ。買い物かごを提げた主婦の行き交う一番街商店街のひと筋隣、一番街シルクロードを進めば、むき出しの鉄の棒などで組まれたアーケードが頭上を覆い、白い蛍光灯がぼやっとしている。昭和を再現した映画のセットのような通りの端にはだいだい色の明かりがあり、人だかりができている。昭和33年創業の「丸健水産」である。おでん種の製造販売の傍ら、立ち飲みもさせてくれる店なのだ。

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