野毛の老舗人気店で、春の足音を感じる

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■栄屋酒場(横浜・長者町)

 横浜は京急の日ノ出町駅を出て、大岡川に架かる長者橋を渡って、2つ目の十字路を右に曲がると、渋い暖簾がはためいている……はずが、夕方5時の開店時間というのに、暖簾は出ていない。曇りガラスの引き戸をそおっと開けてみる。と、ガラガラと音をたて、ちょっと焦ると、2代目店主の三宅明治さんが人懐っこい顔で迎えてくれた。

「ごめんごめん、河岸でひと仕事して横になったら、寝坊しちゃってさ。すぐに支度するから、ちょっと待っててね」

 うまい酒場の林立する野毛にして有数の人気店、新鮮な魚介類が評判である。壁の棚にはキープボトルが実に100本以上も並び、使い込まれた木のテーブルに椅子、メニューは新聞チラシの裏にマジックで書かれているし、何とも人間味のある酒場なのだ。

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