東京にも3786カ所ある 全国土砂災害「危険マップ」の衝撃
改めて局地的豪雨の脅威を知らされた。20日未明に広島市内を襲った土砂崩れの死者・不明者は46人。ここまで被害が拡大したのは、2つの「条件」が重なったからだという。「バックビルディング現象」と「まさ土」である。
気象庁によると、「バックビルディング現象」とは、積乱雲が同じ場所に連続して発生し、大量の雨が降り続くことだ。
「太平洋に面した暖かく湿った空気の通り道である九州北部、四国で年に数回起きています。東北や関東では、あまり例は聞きません」(気象庁担当者)
一方、「まさ土」とは、花崗岩の風化によって形成される地質のことだ。岩手大の井良沢道也教授(砂防学)によると、花崗岩は表層崩壊を発生させやすい代表的な地質だという。
「花崗岩地域は降雨が基岩まで浸透しやすい性質で、古くから花崗岩と土砂災害の発生については指摘されています」
「まさ土」は広島など中国地方に見られる特徴的な地形だが、他の地方でも同様の“危ない”地質があるという。