家庭で簡単本格「Cook Do」は“大皿”狙いでファン拡大
味の素の「Cook Do」(クックドゥ)は、メニュー用調味料のロングセラーだ。柔軟なアプローチで今も成長期。新たな基幹品種の育成、和風シリーズの好調により、ブランド全体の売り上げは直近3年間で約140%と過去最大の伸びを見せている。
Cook Doといえば中華。1978年の発売当初から「簡単本格」を訴求し家庭でシェフの味が楽しめる中華メニュー調味料として普及してきた。圧倒的な認知度で常に好調な印象だが、実は低迷期もあった。
直近では00年代後半。深刻な伸び悩みだった。そこで11年に方針をチェンジ。一番の主力だった「青椒肉絲(チンジャオロウスー)」に加えて、より簡単につくれる「回鍋肉(ホイコーロウ)」を新たな基幹品種に選び、広告も刷新した。
「当時、もやしメニューや軽めの和風メニューがウケていたことから、本格中華で押すだけではダメ。“簡単でおいしいおかず”という価値があると考えた」(食品事業本部の中島広数氏=写真)
CM効果で売り上げは急伸。上昇の波に乗った。そして翌年、新シリーズの登場である。メニュー用調味料市場は本格中華、総菜中華の時代が長く続いていたが、00年代に入り、和風メニュー調味料も市場として顕在化。そこで12年、味の素も「Cook Do きょうの大皿」で市場参入となった。