夏バテ対策で注目 「森永甘酒」は冷やしタイプがブレーク中
健康志向を背景に甘酒人気が拡大中だ。市場をリードするのは森永製菓の「森永甘酒」。近年はとくに「冷やし甘酒」が絶好調で、2013年度の売り上げは、10年度の約7・5倍と急伸長。夏バテ対策飲料として、注目度は一層高まっている。
瓶入り甘酒を前身に、缶タイプの甘酒飲料「森永甘酒」が発売されたのは74年のこと。かつては各家庭でつくられていた甘酒。ゆえに地域によってつくり方も飲み方も違うが、森永甘酒は、こだわりの酒粕と米麹を使用し、誰でも飲みやすい甘酒として誕生した。
以来、パウチ入りやフリーズドライタイプなども順次投入しながら着実に成長してきたが、10年に突如大ブレーク。今につながる夏場のヒットである。
「甘酒といえば冬のイメージが強い。現に森永甘酒も本シーズンは冬としているが、伝統飲料である甘酒は、実は江戸時代から夏の暑さ対策として飲まれ続けており、俳句では夏の季語にもなっている」(菓子食品マーケティング部の長谷美保氏)
そこで96年に「夏の甘酒」、00年にはその進化形となる「冷やし甘酒」を発売し、夏場の需要拡大に注力。その地道な展開があってこそのブレークだった。記録的猛暑となった10年夏、森永の甘酒は、発汗で失われる「水分」「塩分」や体のエネルギー源になる「糖分」が補給できる昔ながらの夏バテ対策飲料として、改めて注目されたのだ。以降、売り上げは右肩上がり。主力の定番「甘酒」ももちろん好調だ。最近は若い世代の購入が増加中。おいしくて健康的、かつ料理などにも活用できる万能さがウケている。