一口チーズ「ベルキューブ」 酒に合う日本独自展開でヒット
ベルジャポンが展開するフランス直送のチーズ「ベルキューブ」(販売元・伊藤ハム)が絶好調だ。ワインに合うフレーバーで人気を集める中、昨年発売の「ビールセレクト」が大ヒット。2013年はブランド全体で前年比118%の記録的な売り上げ増となった。
ベルキューブは、野菜や香辛料を練り込んだ本格的な味わいのチーズキューブ。食べやすい一口サイズ、カラフルなパッケージが特徴で、おいしさはもとより、そのままで“おもてなし”になる見栄えのよさもヒットの要因だ。手軽な贅沢感がウケているわけだが、83年の発売当初は苦戦。上昇気流に乗ったのは00年代に入ってからである。転機は07年。ワインと合わせる王道路線を狙って、フレーバーを増やし、4品体制を整えたのが今につながった。
「当時、急伸していたのは手頃な価格の輸入ワイン。そこでベルキューブはデイリーワインにぴったりの、プチ贅沢なおつまみチーズとしてポジショニングした」(シニアブランドマネジャーのフィオレラ薫氏)
■震災直後の夏場に急伸
定番「プレーン」に加え、フレーバーを3種類ずつセットした3品(ビストロ、ア・ラ・プロヴァンス、フロマージュ)を発売すると大反響。一躍ヒット商品となった。そして迎えた次なる転機は11年3月。シニアワインソムリエ監修の下、飲みたいワインに合わせて選べる提案型の商品へリニューアル。フレーバー展開の3品を「赤ワインセレクト」「白ワインセレクト」「フレンチオードブル」に改め発売すると、これが予想を超える反響を呼ぶ。実はこの年、本来4~6月に実施する販促を、震災により7~8月にずらしたところ、例年落ち込む夏場(6~9月)の売り上げが前年比144%と急伸したのである。