味の素「ジーノ」アミノ酸成分たっぷりの化粧品
化粧品業界は近年、異業種の参入が相次いでいるが、味の素の「ジーノ」はそのパイオニア的存在。1997年の発売以来、抜群のうるおい力を誇るアミノ酸スキンケアブランドとして存在感を発揮している。
うま味調味料で知られるアミノ酸。食品メーカーの化粧品ということで、確かに異業種参入ではあるが、1909年にうま味調味料「味の素」を発売以来、アミノ酸研究を続ける味の素にとってはごく自然な流れだった。
「研究を進める中で、人の肌が保有する保湿剤(天然のうるおい成分)であるアミノ酸は、肌が本来持っている力を引きだし、健康的な肌に整えることを発見。72年に、肌にも環境にもやさしいアミノ酸系洗浄成分『アミソフト』を世界で初めて発売した」(化成品部の田中祐之氏=写真)
現在では世界約50カ国、3000社以上に化粧品用アミノ酸などを供給。つまり、化粧品業界において原料メーカーとしての実績があった。そのうえでの自社ブランド開発。検討を始めたのは94年のことだ。
「これだけ多くの化粧品会社が認めてくれるのであれば、原料メーカーとしてはよりよいものを直接ユーザーに届けたいと考えた」(田中氏)