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田丸昇
著者のコラム一覧
田丸昇

1950年5月5日、長野県東御市生まれ。元日本将棋連盟理事。中学生で奨励会入りし、佐瀬勇次名誉九段の門下生となる。長髪から「ライオン丸」というニックネームで知られた。16年10月に現役引退。近著に「名棋士の対局に学ぶ 詰め&必死」(創元社)がある。

竜王獲得なら空前絶後の永世七冠 若き羽生善治の思い出

 羽生善治二冠(47)は10月下旬から始まる第30期竜王戦で7期ぶりに挑戦者となり、渡辺明竜王(33)と7番勝負を戦う。羽生は約30年間の棋士人生において、竜王戦には特別な思いがあるのではないか。

 羽生は六段時代の1989(平成元)年、第2期竜王戦で島朗竜王への挑戦者になった。

 私は当時、将棋連盟の出版担当理事に就いて1年目。19歳の若きスターの誕生を見越し、「羽生新竜王」を記念する特集号を刊行する計画を立てた。私と編集スタッフは、羽生が86年にデビューして以来の全局集、米長邦雄九段と羽生の対談、羽生の小伝、少年時代の写真などの企画を立て、さっそく作業にとりかかった。

 ところが、10月から始まった竜王戦で羽生は2連敗した。当てが外れた私は、羽生が敗退したら表題を変えて刊行を半年ほど延期しようと覚悟した。

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