ラジカル鈴木さん<1>出前の店屋物が“残業手当”代わり
「3歳から画材に囲まれて育ったので、絵を描いて食べていきたい、とは漠然と思っていました」
こう語るのは、ポップなキャラクターが印象的なイラストレーターのラジカル鈴木さん。国内外のコンテストで数多くの受賞歴があり、海外のファンも少なくない。雑誌などで、一度、目にすると、絶対に忘れないキャラ設定が受けるのだろう。
バブル真っ盛りの1985年、高校を卒業すると、迷うことなくデザイン学校へ。学校の紹介のアルバイトで、その世界を歩み始める。
「一応、デザイン会社という紹介でしたが、今思えば単なる版下屋さん。トレスコープで写植文字を焼き付けたり、台紙にトレペ(トレーシングペーパー)をかけて指示を書き込んだり。ゼロから教わって、おカネももらえるので、楽しかったですよ。でも、今思えば、まったくデザインではありませんでしたが、『デザインとは、こういうことなんだ』と思い込んでいたんです」