今年7月に世界文化遺産に登録 長崎・五島列島を訪ねて

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 離島を旅するのは楽しいものだ。飛行機、列車、船と交通手段が面倒になるほど日常との距離が遠くなる。普段と違う時間の流れを感じながら、気持ちはワクワクしてしまうのだ。長崎の五島列島も、日本を代表する離島である。だが、そこにある世界遺産は、浮ついた心を深くえぐる。人間の醜さ、愚かさを現代に伝える地を訪れた。

 今年7月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録された。長崎巡礼センター事務局長の入口仁志さんは「1614年の禁教令から1873年に禁教の高札が撤廃されるまで、キリスト教の信仰を表に出せなかった人たちのことを、学術的に潜伏キリシタンと呼んでいます。259年間に及ぶキリスト教弾圧の歴史は世界でも類を見ません」と説明する。

 五島列島では「野崎島の集落跡」「頭ケ島の集落」「奈留島の江上集落」「久賀島の集落」の4つが構成遺産となった。その中でエスカレートした差別の残虐さをまざまざと見せつけているのが、久賀島の集落にある「牢屋の窄殉教地」だ。200人あまりのキリシタンが8カ月間、12畳の牢屋に押しこめられて火責め、水責めの拷問を受けて42人(獄中39人)が亡くなった場所である。身動きが取れないような状態で遺体を踏みつけ、その上に糞尿を垂れ流さざるを得ない地獄。わいたウジに腹を食いちぎられて亡くなった13歳の少女もいたという。

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