夫にとって本当に必要なのは「妻が先に逝く」支度だ
■私服は上下7セットでOK
妻との死別後は、うつ病の発症率と自殺率が高まるというデータもある。妻任せの男性にとって、家事は病を引き起こすほどのストレスにもなるのだ。ある50代の男性は、妻がいない生活にパニックになり、自宅が3、4日でゴミ屋敷になってしまったそうだ。
「炊事、洗濯、掃除はもちろんのこと、外出の際のコーディネートも負担になります。身の回りのことはできるだけコンパクトにする。私服は上下7セット、冠婚葬祭用は各1セット、下着は2週間分はローテにするという具合です。大がかりな掃除をしなくてもいいように衣類や食器、日用品は必要最低限にしておくのです。“プチ断捨離生活”は自分のための終活にもなります」(前出の山崎氏)
家計の管理も負担になる。生活費や貯金の残高に無頓着なサラリーマンは多い。消費生活アドバイザーの丸山晴美氏は、「食費、生活費、ローンの引き落としや子どもの学費など月々いくらかかるかを把握しておらず、妻の死後に手持ちでやりくりし、足りなくなって借金がかさんでしまうケースもあります。クレジットカード情報や引き落とし先の口座など、お金の流れは共有のデータに残しておきましょう。生活口座を1つにしておくのも便利です」とアドバイスする。