中川健一
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中川健一峠研究家

1948年、東京生まれ。峠研究家。国学院大学法学部卒。建築・土木資材メーカー「岡部」㈱入社後、1級建築士などの国家資格を取得。08年から峠巡りを始め、10年間で全国2954峠を踏破し、「全国2954峠を歩く」(内外出版社)を上梓。8月に3000峠越えを達成した。

大蛇伝説が伝わる峠も 四国・九州で訪ねたいユニーク峠3選

公開日: 更新日:

 峠の大きな魅力のひとつに、“歴史を感じるタイムカプセル”の側面があります。峠に立てば、戦争の碑、馬頭観音、隧道開通の記録などを見ることができます。そこから眺める山なみや麓の町などからも、いにしえに思いを馳せる楽しみがあるのです。

 今回は全国3773の峠の中から、“ユニークさ”が際立つ峠を紹介します。近くを訪ねる機会があったら、足を伸ばしてみてください。きっと発見があるはずです。

 まずは、徳島県美馬市にある剪宇(きりう)峠。美馬市(穴吹)とつるぎ町(一宇村)の境にあり、標高860メートル。南北朝時代には重要な交通の要所でした。この歴史ある峠の名が全国区になったのは、1973(昭和48)年のことでした。

 峠の穴吹側で、「大蛇を見た」というウワサが広まり大蛇騒動が巻き起こったのです。現地の記録によると、大蛇は「長さ10メートル、胴回り1メートル」とされ、「世界一だ」と喧伝されました。これを目当てに、15年間で約3000人が“大蛇探し”に峠に上ったとか。

 当時は、ネス湖のネッシー、ヒマラヤの雪男と並んで“世界3大怪獣”とまで報じられたのですから、まさに大騒動。ですが、残念ながらその正体は、いまだ不明です。現在は、剪宇峠大蛇大権現を祭る神社が建てられ、その歴史は碑文に刻まれています。

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