東京海洋大の元講師が指南 漁師町のウマい店厳選「7店」

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 新型コロナウイルスの感染が再び広がっていて、大手を振っての旅行気分にはならないが、せめてウマいものを食べたい。そう思う人は少なくないはず。では、密集を避け、漁師町でウマいものを堪能してはどうか。全国の海岸線を知る男、東京海洋大海洋生命科学部の元非常勤講師の西潟正人氏(魚食文化論)におすすめの店を聞いた。

市場には出回らないハバノリでご飯を

 東京湾沿いに三浦半島を三崎港まで南下すると、崖下に小さな宮川湾がある。そこに店を構えているのが、「まるよし食堂」だ。

「家族経営で、ご主人は漁師サン。名物はハバノリの定食です。ハバノリは、磯に育つ幅広のノリで、冬に摘んで天日干しさせたものを軽くあぶってご飯にかける。むせぶような海の香りを堪能できますよ。噛むとパリパリ。香りと食感のよさがクセになるのです」

 都心とは一変する別世界。静かな入り江は、足元から東京湾へ延びる。京急に揺られ、バスでのんびり向かうと、半島の風情を満喫できる。

(住)神奈川県三浦市宮川町11―30
℡046・882・3579

(営)9~17時/木曜定休 伊豆半島の最南端、石廊崎の入り江は、古くから風待ち港で知られ、太平洋が荒れると、多くの船が避難した。

 

崖の上で一杯やればまるで竜宮気分に

 石廊埼灯台を見上げる一帯は観光地で、土産物屋が並ぶ。海に向かって岸壁の左側を歩くと、ずっと先で行き止まり。左手崖上を見上げて、驚いた。食堂&民宿「龍宮」の文字が見えるのだ。

「刺し身定食は1人前4000円。その料金以上の豪華さに度肝を抜かれますよ。イセエビのほか、数え切れないほどの魚介が舟盛りになって盛りだくさん。2~3人なら煮魚などを別にとり、一緒に食べるといいでしょう」

 民宿も経営とあれば、こよいは龍宮気分か。

(住)静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎409
℡0558・65・0161

(営)要予約、定休日なし

名物女将が手掛ける大アサリ焼きとだんご汁

 漁師町を歩くと、名物オヤジやきっぷのいい女将さんがいる店に出くわす。渥美半島の先端、伊良湖岬灯台手前にある民宿&お食事処「田原屋」はまさにそんな店で、女将さんの威勢がいい。

「一見サンにも馴染みの口をきくので、とてもくつろげます。店で食事中にお孫さんが学校から帰ってきたりすると、孫と一緒に会話が弾んで、実家に帰省したような気分になるんです。料理の名物は、大アサリ焼き(2個850円)。デッカイつみれが2個入っただんご汁(900円)もおすすめです」

 旅の途中で、家に帰った安心感に包まれる。

(住)愛知県田原市伊良湖町宮下2822―160
℡0531・35・1097

(営)11~21時/木曜定休

■氷見は昆布の食文化、ワラビも締める

 富山県氷見は、定置網漁業の本場。その街中で地元漁師に人気の居酒屋が「千福」だ。カラオケを備えていて、スナックのような趣だが、出す料理が半端じゃないという。

「すべてが、氷見的なんです。女将さんは『こんなもの』と笑いながら出されたのが、クイサメ(マンボウ)やサス(バショウカジキ)の刺し身とそれぞれの昆布締めです。氷見は、昆布の食文化で、山菜のワラビまで昆布で締めるのですから驚きました」

 魚は、2~3日も締めるという。刺し身は、アメ色になって糸を引く。昆布の塩気も相まっていいあんばいで、醤油はなくても、口いっぱいに、ほのぼのとウマ味が広がるそうだ。

(住)富山県氷見市本町11―11
℡0766・74・5212

(営)18時ごろ~22時ごろ/不定休

■漁業者直営の刺身盛り1人前850円

 松浦鉄道は日本最西端の鉄道で、佐世保から有田を結ぶ。大学駅の近くの「海鮮味処・漁」は、長崎の複雑な湾港で養殖業など多角な漁業を営む「エテルナ・ワコー」の直営店だ。

「店のたたずまいは国道沿いのレストランのようですが、料理はどれも漁師直営のそれ。朝取れのイカは透き通っていて、シマアジはキラキラと輝いています」

 魚介は新鮮そのもの、刺し身盛り合わせは1人前850円、海鮮丼は1150円だ。長崎の魚介を堪能するなら、腰を落ち着けるしかない。近くに宿を取り、翌日は漁港巡りがおすすめだという。

(住)長崎県佐世保市川下町232
℡0956・47・7060

(営)11時半~14時、17時半~22時/火曜定休


地元漁師御用達の町中華で一杯

 伊豆諸島にある100あまりの島々のうち、人が住んでいるのは9島。そのうちのひとつ八丈島には、東海汽船と全日空が毎日就航している。

「私が訪れたときはあいにくの悪天候で、帰りの船が欠航となってしまった。所在なく島内を歩いていたときに見つけたのが、宝来軒です。何の変哲もないラーメン屋で、ギョーザが350円、野菜炒め400円。地元漁師御用達の店で、時代をたがえた安さにうれしくなって、島焼酎の情け嶋を一本奮発すると、オバチャンが申し訳なさそうに、アシタバのおひたしを出してくれたのです」

 漁船のほとんどは遊漁船で釣り人は魚を本土へ空輸するという。

(住)東京都八丈島八丈町三根414―3
℡04996・2・2160

(営)10~19時/木曜定休

船員会館1階の食堂で郷土料理を

 那覇市牧志の公設市場は、本島南部の観光名所のひとつ。そこから歩いて20分ほどの泊港は、本島と離島を結ぶターミナル港。実は、港に隣接する魚市場「泊いゆまち」の方が、地元の魚屋らしさがあるという。

「一抱えもあるニシキエビやヒレジャコ貝などが、思わず買って帰りたくなるような値段で並んでいます。いずれも刺し身にしたら、5人前以上は取れるでしょう。泊港の近くには、宿泊施設の沖縄船員会館があって、1階が食堂『いかり屋』。私のおすすめは、その店です」

 外観は、代わり映えのしないレストランのように見えるが、郷土料理の品揃えが抜群だという。

「例えばゴーヤーの天ぷらなどで一杯やりたくなります。ソーキソバから分厚いステーキまで、泡盛をボトルで注文すれば、沖縄を満喫できること請け合いです」

(住)沖縄県那覇市前島3―25―50沖縄船員会館1階
℡080・4319・2775
※新型コロナ対策のため営業は要確認。 

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