海水浴場ダメなら漁港へGO!「自宅で漁師料理」という贅沢

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全国の海岸線を知る男が指南する

 神奈川の湘南や兵庫の須磨など、全国で遊泳禁止の海水浴場が相次いでいる。新型コロナウイルスの第2波がひたひたと近づく現状では仕方ない措置とはいえ、ちょっと寂しい。そこで発想の転換。海の雰囲気を感じる漁港周辺を散歩しながら、おいしいものを買って帰り、自宅で楽しんではどうか。東京海洋大海洋生命科学部非常勤講師の西潟正人氏(魚食文化論)は、日本全国の海岸線を渡り歩いた海の男。その西潟氏にオススメを聞いた。

  ◇  ◇  ◇

シラス飯

 シラスは、イワシ類の幼魚のこと。今なら、やっぱりシラスでしょう。おいしいシラス目当てに三浦半島の漁港巡りはいかがでしょう。相模湾はシラスの宝庫で、三浦半島の佐島では、湯気立つ釜揚げシラスを天日に干しています。

 何でも生が珍重されますが、デキたての釜揚げシラスのうまいこと! ぜひどこでもいいので、見つけたシラス屋さんで食べてみてください。そしてお土産を買って帰るのです。飯は茶碗に軽く盛り、生乾きの天日干しを大盛りにする。海を、ほおばっている気分になれます。

■西潟レコメンド「山茂丸水産」
神奈川県横須賀市佐島1―25―15
℡046・857・6700

づけ丼

 カツオには、いくつか種類があります。中でも安価なヒラソウダを食べてみてください。相模湾の沿岸から、千葉の勝浦辺りまでが本場で、東京湾沿岸の漁師町ならどこでも手に入ります。見つけたら、迷わずに一本買いです。三枚におろしてサクに取ったら、皮つきの刺し身を、長ネギの千切りと生醤油であえる。酒やみりんは一切なし。

 私は甘い味付けが嫌いで。これを丼飯に盛りつけ、はふはふと食らう。酒を忘れて一気に腹に収まること請け合いです。

「海鮮市場マルモト」は漁港近くの店ではありませんが、こちらの品ぞろえは折り紙付きです。

■西潟レコメンド「海鮮市場マルモト」
神奈川県伊勢原市伊勢原1―3―37
℡0463・91・4330

■深川飯

 江戸前料理で深川の名がつくと、アサリを使うことが多いでしょう。深川周辺を歩くと、それは上品なイメージを受けるかもしれませんが、味噌汁のぶっかけ飯が正統と聞きます。

 前夜の冷や飯に、冷蔵庫に入れ置いたアサリの味噌汁をぶっかけるだけ。二日酔い気味の朝、一撃で目が覚める。

 実は、浦安の海は、江戸前アサリが有名なエリア。三番瀬の潮干狩りは有名ですから。

■西潟レコメンド「鮮魚 泉銀」
千葉県浦安市堀江3―25―1
℡047・713・8274

■タコ飯

 瀬戸内の下津井は、マダコが名物です。うごめいている足を1本切り取ると、吸盤を剥ぎ取って刺し身にしましょう。

 圧巻は生のままをぶつ切りにした、炊き込みご飯です。タコの色素だけで赤飯のように炊き上がり、いいあんばいになります。少しずつ噛みしめると、メシとはいえ、吟醸酒の立派な酒の肴です。

 関西でタコといえば、明石でしょうが、こちらもいい。鮮魚市のスケジュールを確認して、いかがですか。

■西潟レコメンド「下津井漁協 下津井とれとれ鮮魚市」
岡山県倉敷市下津井1―9―8
℡086・479・9301

 

ままかり風

 ままかりは岡山の名物で、小さな青魚サッパを使うのは、引き締まった身の食感がいいから。でも、もちろん代用できる魚があります。マアジ、ミズン、カタボシイワシなど、どれでも構いません。

 三枚におろしたら腹骨をそぎ、塩をして3時間、生酢に浸して3時間。水気を拭き取ったら、食卓で皮を剥ぎつつ酒をすするのがウマい。塩と酢だけで、魚は極上の肴になるのです。

塩焼きに生酢

 瀬戸内の兵庫県・室津でした。アジの塩焼きに、生酢をたっぷりかける光景に驚いたことがあります。焼けた塩が魚の脂を吸った熱々に、生酢がじゅうっと音を立てて流れたのです。

 安物の穀物酢でまったく問題なし。そこに、レモンを搾ると、焼き魚はさらに香り立つのです。醤油は、一滴もいりません。酒の肴に最適ですが、不思議なことに、メシにもよく合います。瀬戸内散策なら、室津を忘れてはいけません。鮮魚が格安で手に入る魚魚市は要チェックです。

■西潟レコメンド「室津漁協 魚魚市」
兵庫県たつの市御津町室津漁港 荷さばき所内
℡079・324・0231

■昆布締め

 富山の氷見は、昆布締めの文化です。魚に限らず、山菜のワラビまで昆布で締めます。香りづけ程度ではなく、アメ色になって糸が引くまでしっかりと、です。

 晩酌や夕飯で残った刺し身は、タコやイカも昆布で包み、1~2日冷蔵庫で寝かせるといいでしょう。メシはもちろん、酒の肴にもうってつけです。

■そろばん

 同じく氷見の漁師料理で、もうひとつ。取れたてのカタクチイワシのハラワタを取ってよく洗い、骨ごとそろばん玉状にぶつ切りにするだけです。

 とにかく取れたてを買うこと。翌日では身が軟らかくクタッとなって、「そろばん」になりません。

 酢味噌で食べると、ウマさに言葉を失うことでしょう。骨身を噛みしめて、骨身に染み渡るウマさです。

■西潟レコメンド「浜井鮮魚店」
富山県氷見市島尾1970
℡0766・91・1318

 さあ、晴れた週末は漁港へ行こう!   

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