緊急宣言延長…人流促し変異株蔓延招いた"東京限定”の愚

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 7日、5月31日までの延長が正式決定される3度目の緊急事態宣言。GW中の効果について、菅首相は「人流は間違いなく減少している」と楽観的だが、首都圏では、むしろ逆効果だ。都心の繁華街の賑わいが消えた分、周辺に人出は流れてしまったとの見方が広がっている。

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 ◇  ◇  ◇

 緊急宣言の対象は関西が大阪、京都、兵庫の3府県に対し、首都圏は東京だけ。GW前にも東京から周辺県に人が流れるとの懸念が指摘されていたが、案の定、その通りになった。ソフトバンクの子会社「Agoop」のデータをもとに、5日と1度目の宣言下だった昨年5月の休日平均の人出の増減率を示したのが<別表>だ。

 京都の観光地である嵐山エリアは微減、清水寺・高台寺はやや増加にとどまる。京都にも宣言が発令されており、大阪など他府県からそれほど人が流れなかったとみられる。

 一方、東京周辺県の増え方は目に余る。千葉の東京ディズニーリゾート(TDR)はなんと20倍超もアップ。神奈川の江の島も数倍もの人出だ。鎌倉の小町通り、栃木の日光、群馬の伊香保温泉なども増えている。GW最終日に宣言発令中の東京から、対象外で酒も飲める他県に人が流れたことは間違いない。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

専門家は「全国一斉の宣言発令が必要」

「菅首相は都心の一部を見て『人流が減少した』と言っていますが、都合がよすぎます。東京の周辺県への人流は明らかに増えており、看過できません。『Go To トラベル』と同様、感染拡大の機会をつくってしまった可能性があります。しかも、現在は首都圏でも感染力が強い変異株が主流になるタイミングです。首都圏大流行のお膳立てをしたようなものです」

 緊急宣言を東京に限定したことで、他県への人流を促し、感染拡大――いったい、どこまで無能な政権なのか。

「変異株は今月中には全国で主流になるとされています。緊急事態宣言を延長しても、首都圏が東京限定では、それ以外の地域は対象外とのメッセージとなり、人流が盛んになる可能性があります。昨年春のように、全国一斉の宣言を発令して、全国一体で抑え込む必要があるでしょう」(中原英臣氏)

 延長期限の5月末に向けて、GWの人流増加が感染者数として表面化する恐れもある。東京五輪開催もいよいよヤバくなってきた。 

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