石塚集
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石塚集

医学系編集プロダクション経営。医学ライター。東洋美術学校Webグラフィックデザイン/ユーザーエクスペリエンス(UX)講師。株式会社eumoでUIUX/PRを担当。新宿・ゴールデン街の入り口付近の店でバーテンダーもしている。

毎週末は海外という「リーマントラベラー」YouTube配信、Webメディアでの連載も

公開日: 更新日:

東松寛文さん(33歳)本業=広告代理店勤務

 会社勤めをしながら趣味の旅行を記事や動画にしている東松寛文さん。会社員3年目の時、仕事が忙しすぎて、そのストレスから思わず憧れていたNBA(米国のプロバスケ)のプレーオフチケットを衝動買いした。

「プレーオフの会場はロサンゼルス。仕事もあるし行けるわけがない。でもこのチャンスを逃したら一生後悔するかもしれないと、チケットを辞表のごとく懐に忍ばせて上司に許可をもらいに行きました。OKをもらい3泊5日の弾丸ツアーを決行。初めてのロスで、衝撃だったのは昼からビールを飲んでスポーツ観戦する大人たちの姿。近くの海にも寄って、平日の昼からサーフィンを楽しむ人が多いのも驚きでした。『えっ? 大人って平日も、昼も遊んでいいの?』という感じです」

 東松さんは、これをきっかけに海外の文化、さまざまな生き方を知りたい欲求に駆り立てられた。

「火がついた次の年、インド、タイ、カンボジア、フィリピン、シンガポール、韓国、ラスベガス、再びロサンゼルスに行きました。事前情報はもちろん、現地でも情報収集をして、ガイドブックには掲載されていないようなレストラン、市場、若者が集うクラブなどの場所を好んで訪れました。今までの9年間で、訪れたのは70カ国159都市です。2016年には毎週海外へ行き、世界一周という名目で、3カ月間で5大陸18カ国に行きました」

 今までの旅でもっとも衝撃だったのはキューバを訪れた時だったという。

「キューバを訪れたのは15年。カストロ、チェ・ゲバラ、キューバ革命などのイメージが強く、キューバに暮らす人々のイメージを持てていなかったのですが、訪れてみてびっくり。重そうな荷物を持っている方を何げなくお手伝いしたら、家に招待されて食事をごちそうになったり。大音量が鳴っている家の前をのぞきながら通ると、中に招かれてダンスの練習に付き合うことになったり。買ったばかりの白い靴で水たまりにハマって困っていたら、道行く人が家からタライを持ってきてゴシゴシ洗って、ドライヤーで乾かしてくれたり。これらの善意にチップを払おうとすると拒否されて、キューバを純粋に楽しんでほしいと言われました。自分の中ではキューバの3つの奇跡と呼んでいます(笑い)。他の国では感じられない国民性でした」

平日の段取りが勝負

 東松さんは、このような体験を「リーマントラベラー~働きながら世界一周~」としてブログに投稿。YouTube配信も始めた。さらにウェブメディアでの連載、書籍「サラリーマン2.0 週末だけで世界一周」(河出書房新社)、「休み方改革」(徳間書店)などの出版にもつなげている。こんなに旅行に行って本業に影響はないのか。

「週末に海外となると、平日の段取りが勝負です。自分で締め切りを設定して、月曜日の朝から計画的に行動するようになりました。また、旅行先で広告のアイデアを見つけることもあります。ウガンダで数時間使えるWi-Fiのパスワードがビール瓶のフタの裏に書いてあって、おっ! って。洒落てますよね。あと、海外ではレストランで注文が通っただけでもうれしいですし、海外の友人が増えて、SNSも賑やかになりました。小さな自己肯定感が積み上がり、自分が満足する工程を味わえます」

 副業収入は「オンラインサロンの会員数は64人で月会費が2000円。書籍の印税、ウェブメディアで記事の連載、メディア露出のお仕事など、合計でも海外旅行が何回か行ける程度」だそうだ。だけどコロナで海外旅行に行けなくなったのでは?

「海外には行きにくくなりましたが、少人数の国内旅行で気に入った場所をオンラインサロンのメンバーとシェアしています。旅行が副業になってよかったのは、会社員を自分から選択しているという自覚が出てきたことです。選んで会社員をしていると感じると、仕事に対する意識が百八十度変わります。この感覚が私の記事や動画を見てくれる人に一番伝えたいことかもしれません」

 会社員が選択肢を広げていっている姿にも、東松さんは楽しさを見いだしているようであった。

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