岡崎英生
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岡崎英生フリーライター

1943年生まれ。早大仏文科卒。漫画編集者、原作者、週刊誌ライターをしながら、農園生活を満喫。珠玉のエッセーを書いている。「畑のおうち―クラインガルテンの12カ月」「富良野ラベンダー物語」などの著書がある。

人には常に別れが避け難く訪れる 植物は散り際のはかなげな様子が美しい

公開日: 更新日:

 長野県松本市の郊外にある滞在型市民農園、四賀クラインガルテン。今年の3月末まで25年も通い続けたのだから、私にとってはここはもはや生涯忘れ得ぬ土地だ。

 だが、3月の退園の際、私はこの標高650メートルの山里に、こよなく愛するたくさんの植物たちを置き去りにしてきてしまった。毎年夏が来るたびに、黒い大粒の実をたわわに実らせてくれたブラックベリー、紫色と空色の2種類のクレマチス、そしてあれやこれやのバラたち。

 四賀クラインガルテンの私の庭には一時は10種類近くのバラがあった。パリ西郊の小村ジベルニーにある画家モネの館で見て憧れた一重の黄色いつるバラ「マーメイド」、日本のバラ界に偉大な足跡を残した世界的な育種家、故・鈴木省三氏が作出し、資生堂の香水や化粧品のシリーズにも使われた「芳純」、小輪だが白い花びらにピンク色の可愛い縁取りがある「ニコル」、庭と畑の境界につくったアーチに絡み、夏の初めに無数の白い小さな花を咲かせてくれた「エセル」、春から秋まで繰り返しよく咲き、甘い香りが心地よい「スカボロフェア」。

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