岸田政権「まん延防止」追加適用は的外れ 第6波“ホットスポット”家庭・学校の対策スルー

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 的外れな防止措置だ──。新型コロナウイルスの新規感染者数は18日初めて3万人を超え、過去最多を大幅に更新した。政府は19日、1都12県への「まん延防止等重点措置」の追加適用を決定。16都県に拡大する。しかし、中身は相変わらず飲食店がターゲットで、「家庭」や「学校」など第6波の“ホットスポット”はスルー。これでは感染拡大の悪循環は止められない。

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  ◇  ◇  ◇

「オミクロン株の特性で飲食店だけを抑えても感染防止にはつながらない」──。愛媛県の中村知事は「重点措置」の効果に疑問を呈した。過去最悪の感染状況にもかかわらず愛媛は重点措置を要請していない。

 英国のデータではオミクロン株の家庭内感染リスクはデルタ株の3.2倍。第6波の震源は飲食店ではなく家庭だ。東京都のモニタリング会議によると、今月4~10日の濃厚接触者の感染経路別割合は同居人が49.4%、会食14.5%と家庭内感染が圧倒的なのだ。

 陽性判明後、陽性者を即隔離して、同居人への感染を防ぐ必要があるが、こんな事例がある。

 神奈川県の50代男性は妻が感染し、濃厚接触者として自宅待機となった。家庭内感染を避けるため、妻の宿泊療養を希望したが、保健所は「同居人が高齢者やエッセンシャルワーカーでない場合、宿泊施設に入るのは難しい」と難色を示した。

 県は「県として宿泊療養を絞る対応はしていません。どういう方に入ってもらうかは保健所の判断によります」(医療危機対策本部の宿泊療養グループ)と答えたが、現に入所希望がかなわない事態が起きているのだ。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「家庭内感染から学校や職場など次の感染が広がる悪循環が起きています。岸田首相が力点を置くべきは飲食店より家庭内の感染リスク低減です。既存の宿泊施設だけでなく、国や自治体の施設を活用し、宿泊・施設療養を徹底すべきです。政治のリーダーシップでできることです」

子どもの感染際立つも、進まないオンライン授業活用

 さらに、第6波は子どもの感染が際立っている。東京の18日の新規感染者数は5185人だったが、10代以下は1175人と2割超を占める。

 いま、各地の学校で感染が確認され、休校や学年・学級閉鎖が相次いでいる。3学期が始まったばかりなのに、学習機会を奪われる子どもが日に日に増えているのだ。

 今こそオンライン授業を活用すれば、切れ目なく子どもは学習を続けられ、校内の感染リスクも低減できる。

 岸田首相は施政方針演説で「学校においても、休校時のオンライン授業の準備を進めます」と言及したが、準備はとっくにできている。文科省はオンライン授業の環境整備をしてきた。昨年8月時点で私学を含む全小中学生に1人1台のノート型パソコン端末が行き渡り、かつネット環境が整った自治体は全体の96.1%にあたる1742に上る。

 しかし、オンライン授業の活用はお寒い状況だ。後ろ向きな教育委員会や学校が少なくなく、活用はごくわずかとみられる。旗振り役の文科省は今月末までに準備状況の調査を終わらせるという体たらく。そんなペースで進めていては、あっという間に3学期が終了してしまう。

 宿泊療養もオンライン授業もやろうと思えばすぐにできること。家庭と学校に目を向けない岸田首相はコロナを抑える気があるのか。 

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