(6)街頭演説で「学校給食費無償化」をアピールすることへの違和感
「日本維新の会」所属議員には、街頭演説でのポイントが2つある。それらは「身を切る改革」と「行財政改革」だ。
「身を切る改革」については、元維新の橋下徹氏が指摘するように、まだまだ不十分なところではあるが、与党が酷すぎるので、その姿勢については支持したい。問題は、もう一つの行財政改革だ。
維新の演説では「自分たちは、しがらみがない」として、バッサバッサと無駄な予算を切って、そこで浮いた部分を若い世代へと回しているというストーリーができあがっている。
しかし、「予算の切り替えによって、学校給食費を無償にした」かのような説明は事実と違う。大阪市には、そんなに潤沢な無駄が残ってはいないようだ。
日経新聞(2020年3月24日)の報道にはこうある。
<大阪市は24日、市立小中学校の給食を4月から無償化するために、2020年度当初予算案の一部を修正すると発表した。学校給食事業収入が77億4800万円減るため同額を財政調整基金を取り崩して賄う。併せて今後10年間の財政収支概算(粗い試算)も修正。一般会計の20~29年度累計の財源不足は977億円と、2月公表時点に比べ770億円悪化する。年度別にみると、財源不足は29年度まで一度も解消しない見通し>