大量のニンニクのチャーメンの鼻を突き抜けるうまさ

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野毛(横浜)②

「伊勢佐木町ブルース」を初めて聞いた時の衝撃はいまだに忘れることはない。あのため息と、しゅづびづびづびづびずヴぁ~というスキャットにどれだけ悩まされたものか。この曲がヒットしたのは昭和43年。青江三奈のファンだったアタシの親父は33歳。今考えてみれば自分と比較にならないほど大人のたたずまいがあった。そんな怪しい大人の街、横浜・伊勢佐木町の隣に位置するのが野毛だ。今回は野毛散策の第2回だが、こちらも怪しさは負けていない。横浜一の大衆繁華街で、飲む、打つ、買う街だったのだが、野毛のすばらしさは単なる昭和レトロだけでなく懐の深さだ。だから、いま、親父だけでなく、若者も集う。女性も来る。多様性と言うと格好つけすぎ、何でもありなのだ。

■1人客に優しい「大衆酒場BEETLE野毛」

 今日の1軒目はそんな野毛らしい店、桜木町からの大通りに面した「大衆酒場BEETLE野毛」だ。ここの売りは何といっても菊正の樽酒。入り口に鎮座している菊正の一斗樽が通り過ぎようとする酔客に誘いかける。こりゃ素通りはできないでしょ。しかも、大きなコの字カウンター。1人客に優しいのだ。つまみも豊富で、おでんから串焼き、煮込みに刺し身まで。不自由しない。2019年開店の新しい店だが、大人の風格を感じる。シニアのアタシは軽めに茄子焼き(430円)と菊正1合(440円)をコップで。4時開店と同時に入店し、ちびちびやっていたら若い男女とサラリーマンですぐほぼ満席になった。店名は樹木にカブトムシが集まるように夜な夜な酒飲みが集う店になることを願ってつけたという。

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