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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

「皇族の学校」の役割を終えた学習院 皇室のルールを守ろうとした徳仁天皇家とそれを見ていた秋篠宮家

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「秋篠宮さまが学習院を嫌う理由はいくつも考えられるが、やはり13年前に起こった愛子さまの不登校問題に立ち返らざるをえない」と話すのは学習院初等科OB。幼稚園から大学院までの卒業・修了生で構成されるオール学習院の同窓会「桜友会」の社員(役員)を務める同OBは「学校側の対応があまりにまずかった」と振り返る。

 愛子さまが学校に通えなくなったのは初等科2年3学期。最初は風邪のせいだと思っていた徳仁さまと雅子さまも様子がおかしいことに気づき、学校でのことをたずねた。ようやく口を開いた愛子さまは同級生から下駄箱に頭を押しつけられそうになったと話した。

 学習院側は乱暴な男子児童がいるのは否定しなかったものの、愛子さまに対する直接的な暴力があった事実は決して認めようとはしなかった。それは東宮職の説明と百八十度、食い違うものだった。

「当時の初等科は学習院とは思えないほど荒れに荒れていて、愛子さまへのいじめにつながった。にもかかわらず、学校側は愛子さまが男子児童の振る舞いを必要以上に怖がってしまったと事実を矮小化。はた目には責任逃れしているかのように映った」(前出OB)

 当然、こうした話は秋篠宮家にも伝わる。秋篠宮さまや紀子さまが学習院への不信感を募らせたのは明らかだ。ただ、このことが悠仁さまの進路を決めたというのは言い過ぎかもしれない。愛子さまの不登校が始まった2010年春、悠仁さまはお茶の水女子大学付属幼稚園に入園しており、「時間の流れを考えると、この問題の影響はない」(宮内庁担当記者)という。

 紀子さまはその前年、日本学術振興会の名誉特別研究員になり、お茶大で研究を始めた。同大では育児をしながら研究しやすくする目的で特別入園制度を設け、その子どもを付属幼稚園に優先的に受け入れることにした。

 悠仁さまは同制度を使っての入園なので、愛子さまの不登校が始まる前に幼稚園を決めていたことになる。「いずれにしても、小学校から学習院という可能性も愛子さま問題で完全に断たれた」(同記者)のだった。

■1年7カ月に及んだ雅子さまの付き添い登校

 一方、初等科3年に進級した愛子さまは雅子さまに付き添われ登校を再開。授業中も雅子さまが廊下から見守り、給食も別室で2人だけでとった。

 愛子さまは給食を全部食べられなかった時、男子児童から激しく責められ、みんなと一緒に食事をすることができなくなってしまったのだ。こうした付き添い登校は1年7カ月に及んだ。

「皇室のルールを必死に守ろうとして逃げ場を失った徳仁天皇家と、それを打ち破った秋篠宮家。責められるは両家ではなく学習院にあるといわざるをえない」(前出OB)

 来春、愛子さまが卒業すると、学習院に在学する皇族は一人もいなくなる。皇族のためにつくられた学校だが、すでにその役目は終えたようだ。



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