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内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(1)親子経営の会社が倒産…借金に追われ家も失い、残ったのは「運転免許」だけだった

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 だが、バブル崩壊で悪夢のような日々がはじまる。私は株式投資の仕組みなどまったく知らなかったが、いまにして思えば、父は少ない現金でも大きな取引が可能な信用取引に手を染めていたようだ。その信用取引に失敗したらしい。

 その影響は本業のほうにも飛び火し、取引先への支払いもできなくなってしまった。ついに会社は倒産、家族が住んでいた家も失うことになってしまった。シャッターを閉めた会社には、売掛金のあった取引先からはひっきりなしに電話が入るようになった。

 その頃、私はすでに結婚し、一人っ子の長男は独立していたが、この騒動の影響が妻にまで及ぶことを恐れた私は、妻に形式的にでもいいから離婚してくれるよう申し出た。さらに法律的に私は債務者ではなかったが、もう耐えられないと「夜逃げ」を決断したのだった。

 当時、私は50歳。手に職があるわけでもない、特別な才能もない、会社勤めの経験もない。あるのは運転免許だけ。手っ取り早く稼げる仕事はタクシードライバーしかなかったのである。

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