著者のコラム一覧
芳沢光雄桜美林大学名誉教授

1953年東京生まれ。東京理科大学教授、桜美林大学教授を経て現在は桜美林大学名誉教授。国家公務員採用Ⅰ種試験専門委員、「教科書の改善・充実に関する研究」専門家会議委員等を歴任。近著「数学嫌いの犯人」(日経プレミアシリーズ)

(1)逆カクテルパーティー効果…石北線のカタン・コトンの騒音で集中力アップ!

公開日: 更新日:

 古くは大学生の頃、北海道ワイド周遊券を利用して数学書を持って鉄道の旅をよくしました。普段はガタン・ゴトンという線路と線路のつなぎ目から聞こえる音も、雪が降っているときはカタン・コトンという軽やかな音に変わります。旭川から網走に抜ける石北線の石北峠付近では、1分間に30回ぐらいカタン・コトンという音がしました。1本の線路の長さは基本25メートルなので、1分間に750メートル(25×30)ぐらい進み、これは時速45キロ(750×60)です。

 そんなことも楽しみつつ、数学書を読みながら楽しい旅をしました。ここで大切なことは、カタン・コトンという音は目が覚める音であるばかりか、車内では数学用語は聞こえてこないので、数学書を読む上で最適でした。このような現象を「逆カクテルパーティー効果」と自分自身で名付けていました。

■新宿・歌舞伎町の喫茶店こそ仕事がはかどる

 最近、逆カクテルパーティー効果を利用して、原稿執筆で成果を上げていることがあります。94歳で要介護4の母親の介護を精力的にこなしている関係もあって、新宿で朝まで過ごすことが時々あります。歌舞伎町交番近くにある深夜営業の喫茶店で数学の問題を考えるのですが、その店はホストクラブやキャバクラに勤務する方々が多く利用されています。彼らや彼女らの会話は数学の世界とは極端に異なるばかりか、割とガヤガヤしているので眠気防止効果もあって仕事ははかどります。これぞまさに、逆カクテルパーティー効果です。読者の皆さまも、何かの参考にしていただければうれしく思います。

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