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内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(22)ドライバーとお客は「一期一会」だが…「もう一度会いたい」と願う出会いもあった

公開日: 更新日:

 新婚旅行のハワイ6日間とか、家業が順調なころの取引先の招待旅行とか、海外へはパッケージ旅行しかしたことのない私にとっては驚きだし、ましてやそれが北極だというのだから、圧倒されてしまった。

 運転しながら、私は北極で白熊に襲われて命をなくした写真家のことを思い出していた。彼女の撮影場所が安全なのか、白熊などは大丈夫なのかなどと思いが浮かびはしたが、これから旅立とうとしている彼女には余計なお世話以外の何ものでもない。やじ馬的な質問は控えることにした。

 その日は道路も比較的すいていて、クルマの流れもスムーズ。1時間足らずで羽田空港に到着した。トランクから荷物を出しながら「とにかくご無事でお戻りください」と言うのが精いっぱいだった。

「名前を聞くか、名刺をもらえばよかった」

 ネットなどで調べて、どんな人なのか知りたいと……。プライベートには立ち入らないのがタクシードライバーの流儀だが、彼女を降ろし、都心に戻る道すがら、私はそんな小さな後悔に駆られていた。そして、こうも願った。「いい出会いだった。機会があったら、もう一度お会いしたい」と。

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