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内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(33)深夜のコンビニ駐車場…私の前でベンツが急ブレーキで止まった

公開日: 更新日:

 ところが「どうも」とその男が会釈する。私がキョトンとしていると「しばらくです、内田さん。稼げてますか」とサングラスをとりながら親しげに話しかけてくる。なんと男は、かつて同じ営業所にいた後輩だった。事情を理解した私は「なにが稼げてますかだ、脅かさないでよ。初めからサングラスはずせ」と言い返した。さらにホッとして、「いま、何しているの?」と聞いた。「姉が近くでスナックやってるんで、その手伝いをしてるんですよ」と人懐っこい声で答えた。

 彼は“渡り鳥”の一人だったが、いまは定住の“巣”を見つけたようだ。別れしな、私は「その格好で店にいれば立派な用心棒だ」とちゃかしながらエールを送った。

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