著者のコラム一覧
畠山理仁フリーランスライター

1973年、愛知県生まれ。各地の選挙現場を訪れ、面白さを伝える「選挙漫遊」の提唱者。著書「黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い」で第15回開高健ノンフィクション賞。「コロナ時代の選挙漫遊記」など著書多数。

【兵庫県知事選】恐ろしいまでの熱狂は「政治離れ」の放置が生み出した

公開日: 更新日:

 既存メディアは選挙が始まると、公平性を意識して情報発信が少なくなる。そこに物足りなさを感じた老若男女がSNSの海にこぎ出していた。

 驚いたのは、今まで選挙に無関心だった人たちが予想以上に多かったことだ。つまり、「政治的初恋」の渦中にいる人たちによる「SNS大航海時代」が到来していた。

 誰もが発信できるSNSには、真偽不明な噂話を含めて刺激的な情報があふれている。デマ情報も拡散される。既存メディアを疑い、ネットを情報源とする人たちが「斎藤さんは悪くないという真実」を見つけるまでに時間はかからなかった。

■既存メディアの敗北

 選挙は候補者が試されると同時に有権者も試される機会である。恐ろしいまでの熱狂は「パワハラ疑惑」「県民局長の自殺」「全会一致での不信任」という論点や事実をあっさりのみ込むうねりとなった。これは「政治離れ」を放置してきた既存マスコミや既存政治勢力の敗北でもある。

 知事選が終わり、斎藤知事の2期目はスタートした。しかし、12月16日には斎藤氏とPR会社社長に対する公選法違反容疑での告発状が神戸地検と県警に受理された。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波