最強寒波襲来で露呈する能登半島地震「被災地の脆弱性」…懸念される集落孤立と家屋倒壊

公開日: 更新日:

あの日」から1年経ってもなお、被災地はリスクにさらされ続けている。

 気象庁によると、日本付近は冬型の気圧配置が強まり、8日から10日にかけて今季最強の寒波が列島を襲う見込みだ。今週後半には東京都心の最低気温は0度まで下がる予報だが、北陸と東北の日本海側は警報級の大雪となる恐れもある。

 頭を悩ませているのが、能登半島の被災地だ。多くの地域では水道・電気などが復旧した一方、土砂災害の被害が大きかった地域などでは、いまだに断水が続いている。山間部の多くは、道路が復旧しておらず、大雪に見舞われれば混乱必至だ。

 珠洲市で支援活動を行う、一般社団法人ピースボート災害支援センターの大塩さやか氏はこう話す。

「能登半島の先端にある珠洲市などは特にアクセスが悪く、道路復旧の遅れが目立ちます。地震でできた亀裂や穴を舗装してふさいでいますが、大型トラックや重機が何度も通るのでコンクリートがはがれてしまい、そのたび補修の繰り返し。土砂崩れの跡地などに開通させた迂回路は、傾斜が急で道幅も狭い。こうした道路状況なので、大雪になると除雪車が入れなくなる地域が出てくる可能性もある。孤立集落が発生しかねません」

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝